ATEM miniでテロップを入れる方法はいくつかありますが、例えばライブ配信で歌の歌詞など次々とテロップを入れ替える必要がある場合は、PowerPointなどスライドショーができるソフトで作るのが良いと思います。KeynoteやGoogleスライドでも作れそうですが、今回はPowerPointで作成してみます。
PowerPointでテロップを作る
PowerPointでテロップを作るときに重要なのは、背景です。極論を言えば配信動画に含まれない(であろう)色でしたら何でも良いです。僕は薄い緑で作ることにしました。クロマキー合成という映像の切り抜き合成では、グリーンバックやブルーバックといった緑や青の背景を利用することで特定色を透明化して別の映像と合成する技術があります。これは緑や青が人間の肌の色と補色関係にあり、切り抜き合成に使いやすいからのようです。ですので、今回は薄い緑色を背景に使って作成してみました。
PowerPointではスライドの上で右クリックをして、コンテキストメニューから「背景の書式設定」を選びます。右側に「背景の書式設定」の画面が現れ、塗りつぶし(単色)を選択して色の中から標準の色「薄い緑」を選びます。透明度は0%で良いと思います。
あとは大体の位置を考えながらテロップ文字をスライドとして作っていくだけです。また別の記事に書こうと思いますが、テロップの文字は単色のみですと、背景とかぶってみづらい感じになるので縁取り文字などにした方が見やすくなると思います。
とりあえず今回はテロップを単色でも良いので、作ってみてください。
ATEM miniでPowerPointテロップを使う
ATEM miniでHDMI1入力(Camera1)にライブ配信するカメラを、HDMI2入力(Camera2)にテロップ用のPowerPointのスライドショーを流すPCをそれぞれ接続します。僕はSurface Pro 4を使っていますが、hdmi出力ポートもついたハブを使っています。これです。
ATEM Software Controlを立ち上げて、「パレット」から「アップストリーム1」を選び、その中の「クロマ」タブを選択します。
設定の入力フィルソースにグリーンバックにしたテロップスライドを流すPCの入力であるCamera2を選びます。
そして「クロマサンプル」を選択して、実際に抜きたい色を選びます。プレビューの左横に「薄い緑」のような色が現れていたら大丈夫だと思います(スライドの背景を薄い緑で作った場合)。その下のパラメーターは背景に影があったりして単色ではなかったり、合成する映像の中にも抜く色と同系統の色が含まれる場合に調整することによって正しく背景色を抜くためのものです。今回はかぶらない前提の単色でスライドを作ったので特にいじる必要はないでしょう。
プログラム映像にテロップを載せるには、「ネクスト・トランジション」のON AIRを押すと、プログラム映像にテロップが載ります。
PCの方でPowerPointのスライドを進めると、プログラム映像に載るテロップも変わることがわかると思います。
一つ二つのテロップなら、ATEM miniのメディアプールに透過PNGで作ったテロップを設定して使う方が便利ですが、20個を超えたり、歌詞などのように次々とテロップを入れ替えていく必要がある場合にはPowerPointなどスライドショー形式で作成した方が便利です。